2018-01-01から1年間の記事一覧

時代の先取り

時代が私たちに追いついた?! 前回の更新からずいぶんと時間が経ってしまいました。 ブログを立ち上げたのは、ちょうど韓国映画「タクシー運転手」が日本で公開され、大ヒットを記録しているさなかでした。本題の「タクシー運転手」に取り掛かる前に、まず1…

亡き劇作家が「クミの五月」に込めたもの(4)〜5・18は終わらない〜

「犠牲者たちの死を無駄に盗んだ」 多くの人たちはあらかた忘れてしまっているかもしれませんが、先月12日に放映された「アナザーストーリーズ」光州事件の回について、私にはまだまだ言い足りないことがあります。なので、前々回から前回、そして今回にまで…

亡き劇作家が「クミの五月」に込めたもの(3)〜5・18は終わらない〜

宋基淑『光州の五月』を読んでほしい。けど・・・ 映画「タクシー運転手」をめぐっては、さまざまな媒体で多くの映画評を目にしますが、1980年5月のあの時あの場にいた人びとが、何をその目で見、経験し、その後どんな人生を歩んできたか、またその後景をな…

亡き劇作家が「クミの五月」に込めたもの(2)〜5・18は終わらない〜

「アナザーストーリーズ」について 6月12日、BS-NHK www.nhk.or.jp の光州事件特集が放映されました(18日再放送)。遡ること10年前、映画「光州5・18」の日本公開に先立ち、光州事件を扱ったドキュメンタリー番組を作りたいと民放局から協力依頼を受け…

亡き劇作家が「クミの五月」に込めたもの(1)〜5・18は終わらない〜

死者の「肉声」を甦らせる 昨年春、職場のメールボックスに津川泉という見知らぬ人物から書籍小包が届いていました。送られてきたのは『韓国現代戯曲集Ⅷ』(日韓演劇交流センター刊)という書物で、津川氏はそこに収められた「クミの五月」の訳者でした。 日…

映画「光州5・18」のメッセージ

1980年5月の光州民主化抗争を扱った韓国映画「タクシー運転手」が人気ですね。 ちょうど10年前に光州5・18 - Wikipediaが日本で公開されました。どちらも主人公はタクシー運転手ですが、「タクシー運転手」の主人公は外側から光州抗争を経験し、「光州5・18…

それが、問題なのだ!

はじめまして。 1970~80年代の韓国民主化運動を研究してきましたが、気がつけば、私が暮らし、体験した80~90年代の韓国もまた急速に「歴史化」されていくのを実感するこの頃。それならば、そうした自身の来し方も「歴史化」の対象として、いわば一民族誌と…